みんな集まれ! ネットワークが世界を動かす

みんな集まれ! ネットワークが世界を動かす

みんな集まれ! ネットワークが世界を動かす

 本書は、ソーシャルサービスを使った集団化がもたらす社会的影響のプラス面、マイナス面を実例を踏まえながら紹介している。今後は人間の社会活動、経済活動を考える上で、ネットを介さないことが皆無になることは予想できる。プラス面ばかりだけであるというのは肯定できないが、長期で見ればいずれはよりよい社会になるはずだと信じている人が今後ますます増えていくと思っている。
  
 twitter、blog、ustreamなどで個人の発言力はますます強くなってきてはいると言われるが、実際には平均すると個人のもつtwitter、blogなどを読む人の数はそれほど多くないし、レスなどもコメントした人全員とやり取りができるぐらいの数だったりするだろう。しかし、ネットで大きな影響を持つと言われるような人たちは、読者も数十万単位で存在するようになるだろうし、なかなか双方向で全てにレスなどを返して、コミュニケーションをとることはできなくなるだろう。そういう意味ではネットの個人の発言力という意味ではまだまだ課題もあるし、参加者が発言することで世界が変わるみたいに言われても、正直ピンとこない。
  
 集客という意味ではテレビ、新聞、雑誌などで紹介されている、いわゆる著名人のほうが人を集める数が多いのは事実あるだろう。もちろんWEBでの活動からメディアに紹介されてさらに有名になることもあるが、とはいえ、少人数のグループが場所や時間の制約を受けずに情報交換をして活動することもしやすくなっているので、企業や労働以外での活動がどんどん増えていくことで、色々なことが起こりうる可能性もある。今後は増々ネットでの無償での活動はコンテンツとして定着するのではないか。新聞の投書欄なんて引退した人たちのコメントばかりみたいに、ネットも将来そうなりそうである。
  
 今後も新しいソーシャルツールなどが出て、その中の一つでも爆発的に普及しては、インフラ化されて我々の生活に入り込んできて、様々な影響を与え合うことだろう。その時には負の部分や面白さが分からないと言って、参加しないのではなくて、もっとそのツールからもらえるもの、与えられることみたいなとこまで考えて使ってもいいのではないかと思う。
 自分にとってネットは仕事、娯楽、生活の大部分があるからこんな事を考えたりするけど。最近特に思うのは、WEBアプリは作るよりも使う方が本当に楽しくなってきている。