なぜ投資のプロはサルに負けるのか?— あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方

 本書は、投資に限らず、お金との付き合い方、具体的には、保険・家・投資・教育などについてどう考えるか。ファイナンシャルインテリジェンスをいかに身につけるか。日本はお金に関する情報のノイズが多いのと、お金に関する教育をされていないから、経済的合理性の判断のない住宅ローンだったり、割高な保険加入などに皆あまり考えずに入る。何となくお金を使ってしまって、何か残ってないし、もっとお金が欲しいんだけどって感覚の人は、こういった本を読んでお金に関する考え方について、再考するいいきっかけになるんではなかろうか。
 一見問題ないような家計でも、実は仕事がなくなったり、収入が減ると一気に生活が苦しくなるような隠れ貧乏のような家が多かったりするのではないだろうか?
 私の両親は、まさしくこのパターン。両親が苦しんでるのを見て、お金の勉強をしようと決心した。今までの人生を振り返ると、お金との付き合い方を、教わった記憶がない。どちらかというと、「働かざるもの食うべからず」みたいなことを言われた事の方が多かった。
 結局は独学で、書籍や投資関連のブログなどで、地道に勉強を続けたおかげか、以前よりもお金との付き合い方・向き合い方については、それなりに改善されて、昔よりも心配しなくなってきた。
 個人的には稼ぎと家計の収支をプラスにする事は、両輪でどちらの力も必要だと思っていて、よく収入が少ないからだとする人がいるが、自分もそうだったが、毎月のやりくりで小額でもいいから、プラスにして貯蓄やら投資が増えて行くと、だんだん毎日の生活の安心感・安定感が出てくる。そうすることで仕事にも身が入るように自分はなれた。
 あと、収入が少ない事のせいにするのが、良くないなと思う理由は、どうしても会社や、社会のせいにしてしまいがち。今思えば、会社の景気が悪くなって、給料が下がって、みたいな不安を持つのは、精神衛生上よくない。
 お金の勉強をすることで、無駄な出費が減り、もっと自分にとって価値あることにお金を使い、前よりも精神的に豊かな生活を送ることができるようになったと思う。そして、お金をかける娯楽に対して、以前よりも興味がなくなって来し、お金に対してのリターンがちゃんとあるのか?っていうのを前よりも考えるようになったことと、人生の価値の重きをどこに置くかも変わってきたように思う。
 今後も私は、お金は難しいとか汚いとか、お金で不幸になる。みたいなマイナスのイメージばかり持たずに、お金との距離感とか付き合い方を顧みて、好きでも嫌いでもないけど、よく理解してるみたいな、大人な関係を今後も築いて行きたいと思う。