SIerのキャリアについて

自分が10年程度、受託開発をするSierとして身近な人を見てきた結果として、思うことです。

Sierは、開発者として、システム開発のあらゆる工程で、仕様策定、コードを書いたり、仕様書などのドキュメントを書く、テストをするなど、案外コードをずっと書いてるだけではないことか多いです。しっかりしたコードを書ける人が評価されやすいことはあるかもしれませんが、コードだけずっと書いて仕事してる人は案外少数だと思います。
 
SI企業では、一般的に管理系と技術系で二種類のキャリアに分かれると思います。まあPMか、アーキテクとかみたいなところから、その先はシステム営業、ある業務に特化して精通しているのであれば、コンサルなどになっていくかと思います。
エンジニアとして採用された大体の新人は最初に開発案件をやりたがる傾向があるかと思います。キャリア的には、開発経験を数年経て、次のステップを考える方が主流に見えます。

しかし、実際は、特に新規開発については、新人を使うよりは、実績のある経験者を参加させるほうが、理にかなっています。そうすると新人がアサインされやすいのは、保守やテスターなどをやらされることが多いかと思います。
これは、会社としては、合理的な選択だと思います。しかし、思うように経験をつめない新人は、焦ったり苛立ちから不満が出たりする傾向があります。
 
さて、新人の頃から開発案件をやり、プログラムなどを書く仕事に恵まれた人と、不本意ながら、保守やテスターなどをやらされた人で、3年〜5年後に、仕事のスキルに差がでるのか?と思い、自分の数少ない身の回りを見てみると、正直受託開発のSierというレベルで考えると、そんなに差がでない気がします。保守やらしても、テストやらせても、できるやつはできるし、目立ちます。逆に開発だけやってる人よりも、もろもろテストや、保守の観点から気が回る事が多いです。
 
若い時は、明確な目標だったり、やりたいことがあったりして、現実とのギャップに苦しむ時期はあるとは思います。しかし、どういう経験が、後々役に立つか分からないというのもあるので、あまり明確にキャリアを積みたいという強迫観念みたいな事で悩むよりは、必要とされている場所で、まずはいいアウトプットを出す事を考えてみるのはどうでしょうかと思います。
案外自分で考えたキャリアよりも、必要とされてしている仕事の方が、向いている仕事だったりするのかもしれません。好きな事、得意なことは自然とやってたりする事が多いのではないでしょうか。強いて努めることは、長い仕事人生を考えると、長続きしない気がします。