世襲議員のからくり

世襲議員のからくり (文春新書)

世襲議員のからくり (文春新書)

世襲議員の定義とは、以下のことを指すようです。

世襲議員、あるいは二世議員とは、いわゆる三バン、すなわち地盤(後援会)、カバン(政治資金)、看板(知名度)を親族から引き継いだ議員を指す。

たしかに、資金、知名度、強力な後援会がないと選挙で勝つのは難しいと思います。現在の選挙制度、選挙活動を見ていると。
 
世襲議員が悪いのか、選ぶ我々が悪いのか。はたまた制度か、本書を読むと、この世襲議員がなぜこれほど多いのか、どうしてなくならないかがよく分かります。ある意味国民も馬鹿にされているのかもしれません。
選挙に行くときに、どれほどマニフェストや候補者について知った上で投票しているかということも、もしかしたら原因があるのかもしれません。
本書でも、ふれていますが、経済界は世襲がなくなってきているそうです。確かに市場が効率的に働く環境では、優秀な経営者が生き残るような自浄作用が働きます。どうやら政治の世界では今のところそういう自浄作用はないようです。
とはいえ、政治の堕落は長い目でみると、国民生活にとって良くないことは分かりきっていると思うので、日本の分かりきっていそうな問題については、超党派でも何でもいいので、さっさと片付けて欲しいもんです。
あっさり辞めてしまう甘い2世議員よりは、何かをやり切る胆力がある政治家がいた方がまだ希望を持てそうです。