経済古典は役に立つ

経済古典は役に立つ (光文社新書)

経済古典は役に立つ (光文社新書)

本書は、筆者竹中平蔵氏が大学で講義をしたものをまとめたもので、非常に読みやすく分かりやすく書かれていると思います。そして、過去の経済学の偉人たちの理論と現在的問題を照らし合わせて考察し、経済の本質を見る目と、困難な問題を解決する基礎力を高めることに焦点をあてています。
結婚して、子供を育てるようになると、政府の政策については独身時代よりもより気になるようになりました。またグローバル経済の中の日本で経済活動を行うビジネスマンや、経済システムや政策の意義を深く理解する必要性が高まっていると思います。そのような環境において、過去の経済学者がどう考え、経済問題を解決しようとしていたのかを、知ることは現在我々が直面している問題についても参考になりそうなことはありそうです。
専門家でもなく、経済政策に対して、市井のモノが意見を直接的に示せることは、選挙ぐらいしかないかもしれませんが、特に生活に色々と影響のある経済政策について自分なりに考えて1票を投じることは、できるかもしれません。
 
完全な経済政策というのはおそらくないでしょうし、これから先も見つからないのかもしれません。一時的に成功することは勿論あるかもしれません。しかし、成功が永遠に続くことは恐らく人間にはありません。勿論それが政府でも同じことが言えると思います。
失敗を認めることと、そこからの立ち直りをいかにするかが大事なことなのだと思います。平等と福祉を重視しすぎると自由が軽視され、福祉と平等を建前として、結果国家の干渉を支持する風潮に見えます。結果として、もろもろの失敗した企業などを国が助けることになってしまいます。
個人の安全、最低限の生活保障などはまだ納得がいきますが、国が助けなくても良さそうな企業まで助けたりします。それが企業や産業のイノベーションを軽視する結果を招いているのかもしれません。