新史太閤記

新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)

新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)

久々に司馬遼太郎とかテンション上がる。
秀吉が太閤に登りつめるまでの立身出世物語。
昭和の時代にサラリーマンに受けたであろうなこの辺の話は、
秀吉の成り上がりっぷりといい。信長への取り入リ方といい、人身把握術といい。
ビジネススキルとして求められそうな要素満載。ネットが登場して以降はこういう
歴史上の偉人に対する認識も少し変わったような気もするけど。
それぐらいネットを使ったビジネスってのは過去の常識を破壊してる部分もある。
と思ってるけど、まだまだこれから、もっと自由な発想があるはずだ。


それにしても、戦国時代の頃なんて圧倒的に今みたいな色々な情報があふれる
時代ではないだろうから
戦国大名たちは、スパイとかつかって、諜報活動を行い色々な情報を集めていただろうし。
その情報を得ることにものすごい労力を使っていたはず。
情報を仕入れて分析して相手を出し抜く力がないと戦国の世を生き残るのに
は必要だったんだろうなとか。


戦国時代という環境の変化で戦国以前だったら
秀吉のような出自のものがこの身分までのし上がることはまずあり得なかったはず、
環境とか社会が変革しないといけないときは、こういう社会の転換みたいな
ことが歴史では起こるようで。その後江戸幕府ができて、しばらくは安定した社会に
なるけども、アメリカから黒船がやってきて、今度は外圧によって明治維新が起きる
そのときに活躍するのも、幕府側の人間ではなくむしろ徳川政権家では優遇されていない
人たちが改革を起こす。むしろその人たちの才能というよりも多分に、その状況に置かれた
環境というものに人間というのは影響受けるんじゃないかということさえ思う。


今は戦国時代じゃないし、大名とかお侍の時代じゃなくて、圧倒的に個人の時代
ゴミみたいな個人でも好きな事を書いて情報を発信できちゃうってことは、俺みたいな
稚拙な読みづらい文章を書いてるような日記でも誰かに見られちゃう。権威ある、人気
のある人の文章でも俺みたいな素人の文章でも、価値は違うけど、お金をかけずに
ネットに載せることはできる。権威とかがない俺でも、対価は得られなくても自己満足はできちゃう。
戦国の世とか、明治維新とか、世界大戦を乗り越えてきた今までの日本人の苦労の上に
今の豊かで楽しい日本にたまたま生まれて生活することができて、
仕事があって食べることに困らない自分は本当に幸せで、この状況を自分の
子供とか孫の世代にどう継承していけるんだろうかとか、珍しくそんなことを思ったりした。