情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方

情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方

情熱プログラマー ソフトウェア開発者の幸せな生き方

ソフトウェア開発従事者にとっては、どれもリアルで身に覚えのある話ばかりだと思います。
どのトピックも刺激を受ける話ばかりですが、特に響いた箇所はP.145の以下のくだりでした

君は既に職を失っている

 君が雇われた職務はもう存在していない。君は今も給料をもらっているかもしれない。会社での評価も上がっているかもしれない。雇い主のために最大限の利益を上げてさえいるかもしれない。しかし、君の職務は既に失われているんだ。
 確実に言えるのは、何事も変化するってことだ。景気は推移する。仕事はオフショアに流れ、また戻ってくる。ビジネスはいつだって時代に適応する方法を探っている。この業界に不動点はない。思春期の厄介な若者みたいだ。厄介で面倒で、毎年どころか毎日でも違う顔を見せる。

ムーアの法則などに代表されるように、ソフトウェア業界は日進月歩で日々進化しています。以前通用した技術や考え方がまったく通用しなくなることも多いと思います。*1
特にWEBサイト開発などは、免許や資格が必要であったりしないので、誰でもネットで調べたりして実行する気力さえあれば、プログラミングを初めることができます。そう考えるとソフトウェア業界は非常に参入障壁の少ない業界だと思います。だからといって、簡単に生業として食えるほど楽でもないとは思いますが、新しい人達がどんどん流入しやすい世界だと思います。

仕事はどんどん変化するものですが、世の中の仕事自体はそもそも代替が効く仕事がほとんどで、代わりがきかない仕事というのは、実はごく一部の達人クラスの人達だけです。もちろん、ソフトウェア開発従事者も同様で、ほとんどは誰かが代わりにやれる仕事ばかりだと思います。*2
誰もがやれる仕事ばかりだと思い、それに忙殺され、モチベーションが落ちそうな時にこそ本書を読んでみて欲しいと思います。案外達人と呼ばれるような人達も、本書で書かれているようなことで悩み、考え続けているだけかもしれません。

いつだって、ゼロベースで考えて過去の経験や知識に固執することなく職務にこだわらないようになりたいものです。「君は既に職を失っている」と思えば、どんな仕事がきても「面白くなき事を面白く」と思うことができそうです。とはいえ、生きるって大変。

*1:COBOLのように技術者を長年食わせているものもあるとは思いますが、Javaなどもそうなるかもしれませんが、SunやOracleを取り巻くビジネス環境が今後どうなるかなんて分かりません。

*2:利権があってある企業しかできないとかではない限り。