昭和史
- 作者: 半藤一利
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2004/02/11
- メディア: 単行本
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私は常々日本の歴史は、現在から過去を勉強することが効果的じゃないかと思っています。
その理由は、単純に最近の出来事から、過去を振り返る事の方が理解が早いからだと思っています。
例えば、日本の政治はダメだと思うなら、現在の衆議院、参議院制度に至った過程や、世襲ばかりになった経緯などを遡った方が理解が早いと思います。
しかし、学校で習う歴史は、縄文時代など数千年前から始まり、江戸時代、明治時代に入ると駆け足で進んでしまいますし、昭和史については、ほとんど習った記憶がないまま大人になっています。
歴史は、興味がなければないで何も問題なく生きていけますが、私の場合は、未来を予見することができないので、過去の出来事を知ることは好きですし、過去を学びながら未来の歴史を妄想することも好きです。
しかし、筆者も述べていますが、「歴史に学べ」とは私たちが「それを正しく、きちんと学べば」という条件のもとでしか成り立たないもののようです。
人類は、歴史から教訓を得て同じミスや過ちを繰り返さないようにしているかというと、必ずしもそうではないことは過去の歴史を振り返ると同じミスや過ちを犯していることなんてたくさん出てきます。
昭和史20年から学べる教訓として筆者が5つ挙げてます。勝手に要約してます。
- 国民的熱狂をつくってはいけない(マスコミに煽られ、熱狂が権威を持つ)
- 最大の危機において日本人は抽象的な観念論を好み、具体的な理性的な方法論を全く検討しない
- 日本型のたこつぼ社会における小集団主義の弊害(エリート、学閥主義)
- 国際的常識を、日本人は全く理解していなかった(ポツダム宣言の解釈)
- 何かがおこった時に、対症療法的な、すぐに成果を求める短兵急な発想(その場その場のごまかし)
くしくも3.11の大震災の後に読むと、現在の日本政府、マスコミ、国民も太平洋戦争中と、まったく同じ様な事が起きている部分があるのではないかと思う箇所がいくつかでてきます。
政府や行政、国だけではなく、自分が所属している会社や組織でも同じような上記の教訓が当てはまるような場面はよくあるなあと思います。正直日本のこういう部分が、良いのか悪いのか、自分にはますます分かりません。今起きていることを過去の教訓と照らし合わせて、賢明に理解し行動することしか今のところできることがないと思います。
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