「ねんきん定期便」活用法 サラリーマンのための年金とお金の講座

「ねんきん定期便」活用法 サラリーマンのための年金とお金の講座 (朝日新書)

「ねんきん定期便」活用法 サラリーマンのための年金とお金の講座 (朝日新書)

 ねんきん定期便は、昨年2009年4月から送付されるようになった。せっかく届いているのに、何を見ていいか分からないと思う人は、本書を手に取ってみてはどうだろう。
 年金は破綻するから関係ない、年金をもらうまで生きていない。そう考える人こそ、一度年金について調べてみて欲しいと思う。今は、ネットでも個人の年金情報提供サービスもあるし、調べようと思うえば、自分で情報武装することができるはずだ。まずは相手を知ってから、年金についてどう考えるかを考えてみてもいいのではないかと思う。

 
 本書は、タイトルでもあるように、ねんきん定期便を単なる、年金の支払い履歴と将来の受給額の確認だけに使うのではなく、人生のマネープランを考えるためのツールにしよう。ということで、年金制度についての説明以外にも及ぶ。給与明細を眺めるよりは、毎年定期便で標準報酬月額を見れば、給与の推移も分かるし、給与からどれくらい資産として残しているかも把握しやすいだろう。わざわざ資産表作るのが面倒だという人も、これを利用すればいい。

 
 とはいえ、年金の仕組みとか制度は、やはり難しい。これだけの加入者数を抱えているのに、実際いくら貰えるのかきっちり把握している人はどれくらいいるのだろう?Webサイトなどで計算したり、窓口に出向いてしっかり確認するような人達はいいが、支給されるまで知らないとかって話もありそうな気がする。私もこういう本だったり、サイトで計算式に数字入れないと、いくらになるかなんて、すぐに分からない。
 しかも、その金額は将来に渡って保障されるものでもない。まあそもそも確約された保障なんて、そうそうないだろうけど。自己防衛のためには、まずは、良く理解しておこうと思う。