オープンソース徹底活用 Slim3 on Google App Engine for Java

オープンソース徹底活用 Slim3 on Google App Engine for Java

オープンソース徹底活用 Slim3 on Google App Engine for Java

 Bigtableについて詳細に書かれた本書。JavaでGAE使うなら、Slim3以外に選択肢はないと言われているのので、勉強しといて損はないでしょう。とはいえ実務で自分が使うことはすぐにはなさそうですが、実務では。
 GAEは、Bigtableを採用している。そのBigtableを使いこなすために、Slim3を勉強する。Bigtableは、RDBとは違って、トランザクションが貧弱だったり、クエリに制限があったりするが、Slim3では、RDBのようなトランザクションが実現できるGrobal Transactionや、インメモリでクエリを補完する機能を提供している。仕事でしばらく使うことがないからといえども、勉強しておく価値があると思う。手軽に検証できる環境があるってだけでも十分にお勉強する価値があるだろう。
 これからのシステム開発は、特にコンシューマ向けでは、スケールアウトの重要性が増すと思う。安くスケールアウトするインフラは出来上がりつつあるので、その時は、予測のできないアクセス数、安価なクラウドでスケールアウトに対応するといった柔軟性が求められそうだ。
 さて、本書では、5章までは、BigTableとデータストア、それ以降からは、Slim3について書かれている。BigTableとデータストア周りについては、だいぶ詳細に書かれているので、GAE使って何かを作ることを考えている人は必読な気がする。自分も、仕事の延長とかでやる機会はしばらくやらなそうなんで、興味や勉強の延長でやりたいところです。本当は実務の延長でやりたいところですが。そうも行かないのは毎度のことなんでね。
 
 話は変わって、最近はクラウドなどを使ってWEBサービスを安価に手軽に以前よりもどんどん構築しやすくなってきている。それに伴って便利なWEBアプリもどんどん増えて行きそうだ。iPhoneなど見ても分かるとおり、個人で使えてカスタマイズできて、しかもWEBと連携したアプリがたくさんでてきてる。正直企業ユーザだけをターゲットにしているシステムはどんどんコモディティ化されていく運命にあるんじゃないかなと思っている。ビジネスを加速させるためのシステムから、個人がカスタマイズしやすく、色々なWEBサービスと連携できるという方が今後皆に使われるような気がする。企業がビジネスで使うためのツールから、個人が便利に自由に使えるツールを、開発することが今後ますます重要になっていくと思う。企業の組織力、規模のメリットで仕事ができることも勿論あるだろうが、相対的にその価値は下がって行かざるを得ない気がする。
 そうなってくると、会社を作ってとかっていう起業スタイルから、個人でビジネスを始める人がたくさん増えそうなことは予想できる。すぐにそんな人たちばかりとかには、世の中すぐには変わらないかもしれないけど。スモールビジネスの進化版みたいな形態で、働く人達が増える未来はちょっと楽しそうな気がする。