年金は本当にもらえるのか?

年金は本当にもらえるのか? (ちくま新書)

年金は本当にもらえるのか? (ちくま新書)

 年金は毎月支払ってる額で考えると、無関心でいられない。しかし、社会人になってから勉強するにも理解が難しいし、専門家の本も一様に難解である。こんなお得なやり方ありますよみたいな年金トリビア本が多い。そういう私も、いかに節税して、より多くもらうか、みたいなこてばかり考える。本書は、そんな類の本とは一線を画しており、知りたいことに、いきなり答える方式で、難易度別に初級編、中級編、上級編に分けている。まずは、現状認識という意味では、最適の本だと思う。
 参院選に投票に行く前に読めた事は、幸運だった。年金制度は要らないんじゃないか?って最近何となく思って読んだら、それに対する回答もされている。納得はできたが、やはり要らない気もする。現行制度でこのまま行って、もらえたとしても、若者世代の受取額はどんどん減っていく。その割には、年金の額は増えて行く。高福祉・高負担な社会。自分たちよりも、自分の子供世代の事を考えるともっと大変な事になるのは、容易に予想できる。
 少子高齢化のペースでは、日本は世界でも経験したことのないペースで進んでいるらしい。世界でも、前例がないのであれば、余計に、所得だけを基準にして再分配を行なう負の所得税ベーシック・インカム)のような制度の導入を考えてみても面白いのに、この辺は、まだまだ先の議論になるのか。いまのとこ、どこの政党のマニフェストを見ても、老人へは高福祉、若者には、高負担という風にしか見えない。今回の選挙も、勝ち馬に乗れないんだろうな。俺が投票するところなんて所詮マイノリティかしら。
 とりあえずは、ここ数年は、団塊世代が引退を迎えてどういう消費行動を起こすのかが気になるところ。若者へ所得移転しないと、うちらの老後も危ないぞ、みたいな動きがいたるところで起きればいいのに。