デフレの正体 経済は「人口の波」で動く

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

 本書は、デフレの一番の問題は高齢化だ。景気対策でも、リフレ政策でも問題は解決しない。今起こっているデフレの正体は、高齢化による消費の減少と、少子化による労働人口の減少という「構造変化」である。消費しない高齢者が増えることで、経済が低迷し続ける。そして、成長対策やインフレ誘導、モノ作りによる技術革新、出生率上昇などの良く聞く議論について検討し、論理的に破綻している部分については論破している。 
 そして筆者が提案するのは、高齢者富裕層から若者への所得移転、労働力不足を補うために、女性の就労支援、多様なコンパクトシティ化。
 
 私のような経済学については全くの素人で、論文なんか難しくて読めない人にとっては、読みやすく、分かりやすい。筆者の提案は、それぞれは、最もな意見だと思うが、感覚的には、これだけでは成長率が上がるとはあまり思えない。民間の力を活かして、色々な規制緩和、法人税率下げ、雇用の流動化、この辺を政府には、柔軟に素早く決めれるようになってもらって、色々な会社やサービスが登場するようになって欲しいところだ。